家計簿アプリ「マネーフォワード」で毎月の収支を管理している。
なんとなく把握しているつもりでも、最近は気づけば赤字。
ボーナスで埋め合わせながら過ごすうちに、「もう少し節約しなくては」と思うようになった。
節約を始めた9月
9月から楽天銀行のデビットカードを使い始めた。
残高の範囲内でしか使えないから、自分を律するにはちょうど良い――はずだった。
ところがその月、8月に使ったクレジットカードの引き落としと、デビットカードでの支払いが重なってしまい、ダブルの引き落としに。
給与が入ったばかりなのに、口座の残高はあっという間に消えてしまった。
むしろ赤字。
ため息をつきながら、「どうしてこんな時に…」と空を見上げた。
ケガと不安の中で
その頃、松葉杖の生活で思うように動けず、仕事にも支障が出ていた。
胸の痛みも続き、気持ちはどんどん沈んでいく。
「お金も、身体も、気力も足りない。」
そんなふうに思っていた矢先のこと。
古い通帳の中にあったもの
引き出しを整理していたとき、7年前に亡くなった母の普通預金に残高17,000円。
ありますとの通知が1年前に銀行から来ていた。
その時は
通帳もなく、銀行に問い合わせると母の戸籍謄本や印鑑証明、マイナンバーなど手続きが面倒で放置していたのだった。
ある平日の午後に
その日は病院受診のため、有休を取っていた。
せっかくの機会だからと、市役所へ向かい、母の戸籍謄本を取ることにした。

紙の上の文字なのに、母の声が聞こえるようだった。
本籍地は大分。住所もうろ覚えで不安だったけれど、
窓口の職員の方がとても親切で、無事に手続きを終えることができた。
それから銀行へ向かい、通帳の紛失届と再発行(1,100円)を提出。
相続の手続きを経て、ようやく母の通帳の中の残高を引き出せた。
手にした金額は、16,000円。

母から届いた、最後のお小遣い。ありがとう。
天国からのエール
思わず、胸の奥がじんとした。
生前、母はよく「少しだけどね」と言いながら、お小遣いを渡してくれた。
その温もりを思い出して、自然と手を合わせていた。
「ありがとう。今も見てくれている気がするよ。」
まるで、「がんばりなさいね」と背中を押されたような午後だった。
お金の管理と、心の整理
家計簿を整えることは、心の整理にも似ている。
数字の奥に、その時々の暮らしや気持ちが映っている。
母からの“最後のお小遣い”は、お金以上に、
あの日の優しさをもう一度思い出させてくれた。
✿今日のひとこと✿
思いがけない出来事は、ときに「見えない贈りもの」なのかもしれません。
母のあの笑顔を思い出しながら、また新しい月を迎えます。
🏷️カテゴリー:暮らし・家計・心の記録
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